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セラフの告白から数週間後、足の怪我も治り、奇跡的に跡も残らず完治した。
今は復帰祝いと言う事で「CAFE Zeffiro」で話をすることになった。
私が眠った時、奏斗や雲雀も心配していたそうで、此方も迷惑をかけてしまった。
「いやー、ほんとにアキラがやられたって聞いた時は焦ったよ 」
「いやマジで、びっくりしたわな!」
「俺が助けに行かなかったらどうなってたか」
「はい、はい…この度はご迷惑をおかけしました…」
「別に俺らは怒ってないし、ただ心配してただけ、無事で良かったよ」
「奏斗もセラもめっちゃお前の事心配してたんだよなぁ!」
「いいえひば、貴方が1番泣いていた事を私は知っています」
「おい奏斗!!それ言うなよ!!!!」
「うわーっ!!逃げろー!!!」
「暴れるな暴れるな!!」
「やんちゃだねー」
いつもながらカフェ組は自由気ままにはしゃいでいる。
良かった、この光景をもう一度目にする事が出来て
それも全て、隣に座っている男のお陰だ
「どうしたの、凪ちゃん」
「ああ、いえ、何でもないですよ」
「ほんとに?もしまだ痛い箇所があるなら言ってくれないとわからんないからね」
「分かってるわかってる」
そう言いながら、あははと高笑いするセラフの表情を見れば、胸がキュッと掴まれるような感覚が走った。
あの時の、悲しい気持ちじゃなくて、これは愛おしい、嬉しいの気持ちだと思う
この気持ちが口から出そうで、我慢するようにセラフの手を握れば、ぎゅ、と握り返してくれた。
「なに、寂しがり来ちゃった?」
「違う、断じてそんなことは無い」
「そっか」
「貴方といれて、嬉しかっただけです」
「やだー、照れ屋さんってことー?」
「あー、はいはい、もうそれでいい」
「あはは!ごめん、嘘だから怒んないで 」
「怒ってない!」
そう声を荒らげると、少し遠くから声が聞こえた。
「あら奥さん、あそこの人たちイチャついてるわ…」
「やぁね…ラブラブやないのー」
「おいそこ、見てるんじゃないよ」
「きゃー、みないでー 」
「セラ夫はもっと嫌がれよ 」
「別に嬉しい事には変わりないし、嫌がることじゃないし」
「っ…もう!!!」
「こらアキラ、怒んないのー」
「そうだぞー!!怒るとシワ増えるって言うやんか」
「うるせぇ」
そう会話していく内に、気になった事がひとつだけ思い浮かんだ。
確かに私はセラ夫が救出してくれたおかげで助かったわけだけれど…
_____犯人は、どうなったんだ?
あのまま放置していればきっと、また狙われるリスクが高い、それにセラ夫だって顔を見られているわけだし彼にも危険な事があるかもしれない。
「あの、セラ夫」
「ん?どしたの凪ちゃん」
「こんな、楽しい時にこんな事を話すのは如何なもんかと思うんですけど、
私が病院に搬送された後、犯人はどうなったんでしょうか…?」
そう質問すると、先程はしゃいでいた奏斗も、たらいも、セラ夫も
全員が黙り込んでしまった。
これ、もしかして地雷原でしたかね
「ああ、犯人ね」
「これ言っていいの?」
「凪ちゃんが気にする事じゃないよ」
「あ、ふーん。なるほど」
にこりと笑うその笑顔で、何があるのか全てを悟ってしまった
うちの人たち怖い
「わ、私、なんかお腹空いたなー!」
「お!ラーメン食いに行くべ!!」
「え、そう聞いてよアキラ、ひばがさ、アキラ起きるまでラーメン食わなかったんだよ」
「あの渡会が…?!」
「俺だってやれば出来るんだなー!!!」
「じゃあラーメン食べに行くか」
「おー、行こう行こう」
そんなたわいない話をしながら、奏斗とたらいが先にカフェを出ていく。
「俺らも行こうか」
「そうですね」
繋がった手を引かれ、私達も店内を出た。
このような感じであの事件は幕を閉じ、犯人の行方は分からないままとなった。
だけどまあ、
3人が無事なら私もそれでいいか
コメント
1件
あの雲雀が...ラーメンを食べずにいた...だと...⁉︎まぁ何はともあれ仲良しそうで良かったです!(犯人がどうなったのかは置いといて)