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かつて、私は近所のよく遊びに来る幼子に心を奪われていた
ただ、年齢差もありその思いは奥深くにしまった
そのままでいいと思っていたが、ある日彼が涙ながらに泣き付いて来たのだ。
「しぐまくん、ぼく、、ひょーどるくんになぐられたんだ、」
実は、これが初めてでは無かった彼の幼馴染であり、何処か心が読めない不気味な天才。
フョードルが彼を傷付けるのだ
「よしよし、きっとヒョードル君も申し訳なく思っているんじゃないか?」
当時の私は精々子供の喧嘩だろうと思っていた、それが失態だった
何時しか彼が相談することもなくなったから。勝手に解決したものだと思っていた
時は流れ、夢を追いいじめの専門家となった私はいじめ疑惑のある学校へと潜入し探りを入れることを生業にするようになった
そこで、予想外の事が起こる
「、、、このクラスの副担任になるシグマだ。一緒にいる機会は少ないだろうがよろしく頼む」
潜入先の高校には、成長して男らしくなった彼と忌々しきヒョードルがいたのだ
HRが終わった後担任の先生と口裏を合わせ、直ぐ様教室から出ていった
教師がいたらいじめは始まらないからな。申し訳ないが、囮になってもらう
数分後、話が聞こえて来た為胸ポケットのボイスレコーダーのスイッチを押した
「きったねぇな!!早く拭けよ!!」
「辞めなよ、そんなの酷いよ、」
状況から察するにどうやらヒョードルがいじめられており、それを彼が庇っているらしい
推測していると、ゴーゴリが殴られた為流石に偶然を装い止めに入る
「大丈夫か、?怪我はないか?おい、お前ら!どんな事情があろうとも他人を苛める事は許されない!!他人の人生を壊すということは人殺しと同義だぞ!!!!」
どんな人間でも、いじめなんか許されない、それが例えヒョードルでもだ。
「先生、ありがとう、ございます」
当事者だけではなく周囲の人間も不幸になるのだから。性根が腐った外道を除いて、だがな
ある日の放課後、彼から呼び出された
余りにも不安そうな顔をするもので、
「毎回、大丈夫って言っているが本当か、?最近顔色が悪いぞ」
問い掛けると少し間を置いて彼から返事が返ってきた
「実は僕、いじめを見て見ぬふりしてたんだ、理由は良く分からないけどクラスメイトがフョードル君になぐったり水をかけてて……でも止めようとしたら僕も殴られて…もう、どうしたらいいのか、分かんなくて、、」
泣きじゃくる彼の涙を手で拭うと私達の目と目が合う
「そうか、でも私に言ってくれた事だけでも嬉しいんだ。今まで、怖かったな」
「せんせぇ……、せんせ、……」
力なく私を呼ぶ頭を撫で教室を去ろうとした時のことだった
何故か、彼が此方へと近づいてきたのだ
「落ち着いたようで、よかった………、じゃあ私はこれ…で……」
そして、自身の唇を私の唇に押し付けた
「僕は先生の事が好きで「諦めた方がいい、私達は年齢差があるだろう」
本当は、飛び跳ねる程嬉しかったが、年齢差がある。私ではなくとも彼に似合う人間はいるはずだ
それから、他校への潜入が増え、中々あの高校に行く機会がなかった頃だった
「シグマさん。人間というは実に面白い生物ですね。
目の前に無力の獲物が一匹いたら集団で集る所もですが、、、
どんなに酷いことをされたとしてもずっと続いていれば気付くことさえもなくなるのが、滑稽で狂おしいとは思いませんか?」
なんて悪趣味なんだ、その言葉を無視すると、奴は笑みを浮かべた
「今日の四限目。全てが分かりますよ」
その言葉の意味をまだ、知らなかった。
真相→♡¿?