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テラーノベル(Teller Novel)
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「Selly!!!」Rasはそう咄嗟に叫んだ。

Sellyは自身の特有スキル、斬刹《ざんせつ》を使い周りの敵を一掃していた。

だが、このスキルは連続して使えるものの、使用者への負荷が凄い。

陽が沈むにつれて此方は浄化の力が弱まるに連れて、OverHEATの瘴気は何故か濃くなっていく。そこでSellyは連続して斬刹を使ったのだ。だが、その負荷が思うよりも早く来てしまったが為にOverHEATに囲まれた際、フラついたSellyは地面に膝をついてしまった。


いつもならすぐに立て直すものの、今回は立ち上がる事が出来ずにいた。

Rasの叫びに気付いたMondoが瞬時にSellyのカバーに入るが間に合わず、奴等はSellyの腕に噛み付いていた。

「ゔわ…っ」痛みに堪えるSellyの元に着いたMondoは無理矢理引き剥がそうとせず、先に浄化をしてからSellyを保護した。

傷口に瘴気が纏っており、放置すると堕光者《ついこうしゃ》となってしまうだろう。

傷口を押さえつけながら、前線から退いた。空から支援していただるまが降り、すぐにSellyの傷の応急処置に入る。

こんな時の為に、Mainyから応急処置の薬は貰っていた。

だが、薬と言っても一時的なものだ、早く本部に戻り浄化しないと取り返しのつかない事になるだろう。


「ここは俺に任せて、MondoとありさかはRasのカバー行け!」

だるまはそう言い尚も一人、最前で戦っているRasを見やった。

Rasもそろそろピークに近いだろう。

どうするか、そう考えていると、突然シュルシュルと何かが床を這う音が聞こえた。

その瞬間今までのOverHEATは一瞬で巨大な何かに丸呑みされた。

「ボロボロじゃん?おまたせ」

左右色の違う目は暗闇で光り、ピンクの髪をなびかせた者が巨大な蛇の上に立っていた。

『メデュ!!!』Rasとありさかは同時に叫び安堵の息をついた。

「そんな事より、Sellyやばいよ早く帰ろう」MEDUSAは地面に降り立ったその足でSellyの元に近寄った。

未だ激痛と戦い顔を歪ませてる彼の首筋に噛み付いた。

Mondoは驚き、「何してんだ!」と叫んだが、だるまが慌てて「MEDUSAのスキルで麻酔毒なんよ!大丈夫!Sellyの顔見てみ?落ち着いてきてるやろ?」と説明をした。そう言われ先程まで苦しんでいた彼の顔を見ると今は半ば失神したようにスヤスヤと寝息を立てていた。

誤解の解けたMEDUSAは早く早くと皆をバスに押し込んだ。

「あ、待って報告…」とRasが言うとウチのリーダーがやるから大丈夫とRasの報告作業を止めた。

MEDUSAのリーダーが来ているという事はどこかにnethも来ていたのだろうか。

Rasは素直にわかったと告げ、バスに乗り込んだ。


いつも周りに細心の注意を払っているSellyがやられるのは珍しく、不安になったRasは本部に着くまでの間彼の手を握っていた。

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