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三「だ〜か〜ら〜喋り方をもっと女の子らしくしなよ!」
古風が朝から可愛く怒鳴ってくる。
こうなった理由はやはり喋り方が男なのに違和感を感じた古風が朝からあーだこーだ言ってくるのだ。
春「とは言ってもな、十数年この喋り方で通してきたんだからすぐ変えろと言われるとな」
三「そうね、だったら一人称を私にしたら?」
春「私か〜、少し違和感あるなぁ」
三「すぐなれるわよ、」
春「そういうもんか」
そんなたわいもない会話をしながら学校への準備をしていた。
〜学校〜
春「んまぁ、昨日よりは学校に行きやすくなったけどやっぱ視線が気になるな」
俺はそんな呑気なことを考えながら髪を弄っていた。
三「やっぱ髪長いの気になるの?w」
春「まぁ、そりゃね、なんかソワソワする」
三「ってかスカートにも慣れたんだね」
春「なんか、よく言われるスースーするって感じはしなかった。でも少し寒い」
そんな当たり障りのない話をしながら俺はまたも髪を触っていた。
「ねぇ、春くん…いや、春さん?」
クラスメイトの女の子が話しかけてきた。
春「どうしたの?呼び名はどっちでもいいけど?」
「少し顔写真撮らせてくれない?」
少し怯えたように聞いてくる、俺の何が怖いのだろうか、それとも何かを感じるのだろうか。
春「俺の顔?なんかに使うの?」
「いや、ちょっと今、美術部の活動で人の顔を描写してるんだけど、それで春くんの顔可愛いから少し撮らせて欲しいの。」
春「そういう事ね、俺は大丈夫だよ。ご自由に撮ってもらって」
「可愛い」と言われたことに対して少し嬉しさを覚えながらも断る理由なんてないので承諾した。
「はい、ちーず」
掛け声とともに「パシャリ」と音が鳴った。
「ありがとう、もしかしたらこれからもお願いするかも」
春「あ、分かった」
「あと、やっぱ声は違くても喋り方は男なんだね、なんか違和感あるw」
春「そ、そう?」
朝言われたことと同じだ。
「少し女の子らしい喋り方してみてよ…あ、もうこんな時間だ、またね〜」
初めて古風以外の子に「またね〜」と言われた。
三「なんかコミュ力上がった?喋れるようになったじゃん」
春「いやぁ、なんか顔が変わったせいか喋ることに抵抗を覚えない」
三「そうか、てかやっぱあの子も言ってたじゃん喋り方変えろってw」
春「そんな、軽い口で言ってないだろう」
古風に軽く返答しながらも俺は妙に高揚感を感じていた。
俺は独り言を呟きながら下校していた。
未だ慣れない体で家に帰っていた。
春「ふぇ〜、喋り方なんてなぁ」
普段女の子がどんな喋り方をしてるかなんて気にもとめないだろう。
喋り方で悩むとは思ってもいなかった。
数分考え結局今まで通りでいいやと思った。
春「ただいまー」
声と共に俺は玄関の扉を開けた。