タン×緑
お題【ドロドロヤンデレ】
色々やばすぎてボツになったやつです。
これは閲覧を控えるのを推奨します。
1ミリも甘く無いです。
誰も幸せになって無いです。
ローズ×緑←タンって感じです
殺人・猟奇的な物が含まれますので、閲覧は自己責任でお願いいたします。
本当に見て良いんですね?
それでは、閲覧をどうぞ。
【タン視点】
「ねぇ、お話ししましょうよ〜ラテさん。今日は私達が恋人になった記念日じゃないですか〜」
私は目の前の可愛い可愛い恋人のラテさんに向かって話しかける。
「い、いです、よ」
返ってきたのは片言の返事。
きっと照れているのだろう、顔は真っ赤に染まっていて、なんとも可愛らしい。
「やった〜!それならこの前やったマリカの話をしましょう!」
可愛い恋人の反応が見たくて、大袈裟に喜んでみる。
こうやってオーバーリアクションを取ると、彼女は悪態をつきながら喜んでくれるのだ。
……だけど、今日も返ってきたのは虚な視線だけだった。
◇◆◇◆◇◆
「それで、その時ウパさんが〜」
「…………ぅ、ぱさ、ん?」
ピク、と微かだが確実にラテさんが反応した。
失敗した、と焦る頭で考える。
いくらラテさんが反応してくれたからって話しすぎた。
元恋人のウパさんの話は避けていたのに。
虚だったラテさんの瞳に光が灯り始めている。
あぁ、どうして人間の魂は思い通りにならないのだろう。
それよりまずいな、急いで処置をしなきゃ。
「あぁ、違いますよ、ラテさん。ラテさんの恋人はこの私じゃないですか」
ラテさんの目を私の手で塞ぎ、もう片方の手で背中を摩ってやりながら囁く。
「ラテさんの恋人は私。大丈夫ですよ、すぐに全部忘れられますから」
繰り返し、繰り返し同じ事を囁く。
「ラテさんの恋人はこの私、めめんともりです。大丈夫、大丈夫」
繰り返し、繰り返し。
ただひたすらに、ラテさんの恋人は私だと刷り込ませる。
十数回繰り返した頃、漸くラテさんは
「……ぁ、め、めさ、ん」
弱々しい声だが、私のことを呼んでくれた。
「はい、めめんともりです」
たったそれだけの事が嬉しくて、ギュッと抱きしめる。
ラテさんを抱きしめていると、彼女の少し冷たい体温が伝わってきて、脳内が喜びで満ちた。
「ふふ、ラテさん大好きですよ」
この幸せを言葉で表したくて、彼女に愛を囁く。
囁いた言葉は自分でも驚くほどの甘さを孕んでいた。
「……ぅ、あ」
その甘さに照れたのか、ラテさんは体を私に預けて呻いている。
幸せだ。
嫉妬に身を焦がしていたあの時とは違う、ただひたすらに心地よい甘さしかこの空間には存在していない。
ピンポーン
そんな幸せな空間を壊す、無機質な音が鳴り響いた。
「…ちっ」
思わず、舌打ちをしてしまう。
今日、誰がきたかなんて、見なくても分かる。
_____ラテさんの元恋人、ウパパロンだ。
あぁ、どうして私達の邪魔をするのだろう。
苛立つ心を抑えて、ラテさんの方に向き直る。
「すみません、ラテさん。すぐ戻りますからね」
そう言って、額にキスを落としてあげる。
「……ぁ、う」
「ふふ、可愛いですね」
ラテさんの可愛らしい反応に満足すると、重い足取りで玄関へ向かう。
「めめさーん、開けてくださーい」
ドアから、いつもより沈んでいるウパパロンの声が聞こえてきた。
本人は明るく振る舞っているつもりなのだろうが、憂鬱なのがバレバレだ。
「はいはーい。今開けますよ」
そう言ってドアを開けてやれば、以前より、更にやつれたウパパロンの姿が見えた。
「あぁ、めめさん、お久しぶりですね」
「久しぶりって…毎日among一緒にやってるじゃないですか」
「いや、対面で会うのがって事ですよ…」
確かに、そうだな。
ウパパロンの言葉に心の中で納得しつつ、同時に早く帰れと念を送る。
「ウパさん、やつれてますね。ちゃんと健康的な生活してますか?ラテさんが悲しみますよ」
一刻も早く帰って欲しくて、わざと逆上するような言葉をかけてやる。
「ラテの遺体が未だに見つかってないんだぞ!?健康的な生活って無理に決まってるだろ!!」
案の定、この単細胞な両生類は逆上して、怒鳴ってきた。
「…あ、すみません…。でも本当に心配で…」
「…いや、こっちこそすみません。……ラテの遺体、もう二年間も見つかってないんです」
はは、俺があの時…と自嘲気味に笑いながら過去を悔やむウパパロンに心の中で教えてやる。
____あの時、通り魔に見せかけて貴方の恋人だったラテさんを殺したのは私ですよ、と。
今でも鮮明に思い出せる。
首を切った時に出てきた、赤色も。
絶望に染まる、真紅の目も。
苦痛に歪む、端正な顔も。
全てが鮮やかで、全てが愛おしかった。
後悔とか罪悪感なんて無くて、ただひたすらに仄暗い悦びが私を満たしていた。
全身の細胞が歓喜で打ち震えていた。
ずっとずっと、我慢していたから。
こんなにも貴女を愛していたのに、ウパパロンなんかに取られてしまって。
どれほど私が悔しかったか。
告白を了承したと聞いた時は本気でウパパロンを殺そうと決意した時もあったけれど、やめた。
そんな事をしても、ラテさんがこっちを振り向いてくれるとは限らない。
ウパパロンを殺しても、手に入るのは爽快感だけだったから。
だから、私はラテさんの方を殺す事にしたのだ。
ラテさんが死んで、死体になれば、私のネクロマンサーとしての能力で、永遠にラテさんを私のものにできるから。
それに気づいた私は、買い物に行く彼女を背後から_____。
「……めめさんも、墓参り、行きましたか?」
幸せな思い出を思い出して、良い気分になっていた私を、ウパパロンの声が引き戻す。
「…行きましたよ」
行くわけないでしょ、ラテさんはここにいるんだから。
そう言う代わりに、嘘を返した。
「…そう、ですか」
ウパパロンはどこか虚な目を泳がせると、
「…今日はありがとうございました。俺、そろそろ帰りますね」
そう言って、帰っていった。
「…よし!漸く帰った!」
そう呟いて、最愛の彼女の元に向かう。
「ラテさ〜ん!」
ギュ!と勢いよく抱きしめた。
今の私の力じゃ、言葉を話させるくらいしかできないから、抱きしめ返してはくれない。
だけど、大丈夫。
私が完璧に人間の魂を理解すれば、ラテさんを完璧に復元できるのだから。
だって、死んだ者の魂の復元の方法は
ネクロマンサーの魂への完璧な理解と
復元する魂が愛した人のキスなのだから。
だから、私はきっともうすぐラテさんを完璧に復元できるだろう。
コメント
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ラテさんが愛した人はウパさんだからこそ永遠にラテさんは復元出来ないってことなのかな だとしたらすごい!
ほぉ、、最高だ……( ´ཫ`)