タン×白
曲パロ注意
お題【全てを否定される君が愛おしい】
原曲【ハッピーエンドじゃ愛せない】
歪んだ愛なのかな…?
キャラ崩壊注意
そして、かなり白さんを否定する描写が出てきます。
それが嫌な人は閲覧を控えるのを推奨します。
文句は受け付けておりません。
白さん視点!
途中からタンさん視点に変わります
「ねぇ、みぞれさん」
鼓膜にべったりと張り付きそうなほど甘い声を出してめめさんが近寄ってくる。
あぁ、嫌だ。嫌だ。
こっちに来ないで、私を認識しないで。
やめてやめてやめて。
だけどめめさんは、そんな私の気持ちなど関係なしに近寄ってくる。
「どうして逃げようとするんですか〜。全く、仕方ないですね〜」
そう言うとめめさんは愛しい恋人にするように私の手を取って、甘い甘い声でこう囁く
「そうやっていつまでも逃げてるからダメなんですよ。本当に馬鹿なんですね。反吐が出ます」
ひゅ、と音を立てて息を呑んだ。
苦しい、苦しいよ。
じわ、と目に涙が浮かんだ。
「泣きそうですね。泣いても何にもならないのに。貴女はいつもそうやってメソメソしてるばかりですね」
追い打ちをかけるように甘い声で心臓を貫かれる。
「泣いたら誰かが助けてくれると思ってるんですか?残念、貴女なんかを助けてくれる人なんていませんよ」
「___何の取り柄もない、貴女なんかを」
「うっ、ぁああ……」
耐えきれなくなって、涙と嗚咽が溢れてしまう。
優しい手つき、愛情に溢れた眼差し、甘い甘い声。
どれもこれも、私の気持ちを知ってるからめめさんはこうするのだろう。
___めめさんが好きだという、私の気持ちを。
好きな人に優しく、緩く、甘く、柔らかいガラスで心を壊されていく。
それはこの世で一番恐ろしい事なのだろうと上手く働かない頭の隅で思う。
そしてめめさんは、優しく私の涙を拭うと
「早く、消えてくださいね」
そう呟いて手首にキスを落とすと、めめさんは行ってしまった。
苦しい。
好きな人に自分の全てを否定されるのは、途轍もなく辛い事だった。
でも、私はきっと、めめさんのこの行動を受け入れてしまう。
認識しないで欲しいのに、私を見ないで欲しいのに、否定しないで欲しいのに、
_____どうしても、それ以上にめめさんの関心を引けているの事が嬉しいのだ。
甘くゆっくり破壊された心は悲鳴をあげている。
否定され続けた脳が、めめさんを拒む。
それでも、めめさんに触れられると喜びに打ち震えてしまう。
めめさんの瞳が私を映していると、この上無い幸せで満たされる。
____この先彼女の本物の愛情が永遠に私に向けられなくても。
私はきっと、彼女に否定される事を望むのだろう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「うっ、ぁああ…」
あーあ。なんて馬鹿なんだろう。
目の前で嗚咽を漏らすみぞれさんを見て、そんな風に思った。
みぞれさんは、私の事が好きだ。
私も、みぞれさんが好き。
だけど、私はこの先永遠にこの想いを伝える事は無いだろう。
だって、みぞれさんが幸せになってしまったら、私はきっとみぞれさんを愛せない。
私が好きなのは、絶望の淵にいて、今にも消えてしまいそうなほど苦しんでいるみぞれさんなのだから。
それ以外のみぞれさんなんて、ただ気持ち悪いだけだ。だから要らない。
でも、みぞれさんが誰かのものになるなんて耐えられない。
だから私は、みぞれさんを幸せにせずに手に入れる事にした。
毎日毎日、彼女に愛の言葉を囁くように呪いを掛ける。
毎日毎日、彼女を形造る全てを否定する。
みぞれさんが私を嫌いになりたいほどに、ずっとずっと呪いを囁く。
でも、きっとみぞれさんは私から離れられないだろう。
何故なら私を見るその目には、微かだけど確かに、喜びが混じっているから。
否定されるのを何よりも嫌がるくせに、何よりも否定されるのを喜んでいる。
そんな愚かで馬鹿な貴女が、何よりも愛おしい。
その気持ちを込めて、私は彼女の手首にキスを落とした。
コメント
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好きです結婚してッッ