コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
探偵がなにか云っていたようだが僕はそのまま流した。
そして扉を締め切ったのを確認したら何故か水が垂れてきた。
此れは何だろうか。
涙というものか。
僕にそんなものあったのか。
なら僕は悲しいのか?そんなことをぐるぐると頭に巡らせていたら、自然と口から言葉が零れ出た。
「太宰さんッ僕を置いていくなッ…」
…「芥川?そこで何をしているんだ?」
しまった…今二番目に会いたくない奴に会ってしまった。
どうする?逃げるか?
「どうしたんだ…って…芥川、泣いているのか?」
「煩い」
「しかもそんな汚れて…」
そう云って、何かを考えていた。
そして動き始めた人虎は何の前触れもなく僕の手を引き、どこかへ連れて行った。
静かな緑多き道、人虎は歩いている間一度も口を開かなかった。
僕には人虎の思考がわからない。
何を考えているのか…否、全く何も考えていないのか。
僕=やつがれ