午前七時、バッと飛び起きた俺は浅い呼吸を繰り返した。ハッハッと犬のような呼吸が口からずっと行われる。染み込んだ汗、浅い呼吸、間違いなく今部屋に親が入ってくれば何事かと慌てるだろう。なんとか深呼吸をして呼吸を整える。
今でもハッキリと思い出せるさっきの夢、きっともう頭から離れることはないのだろうと俺、高橋 翔は悟った。
部屋の扉の外からは「ご飯」という言葉が響いている。
「…ああ、朝食。」
今更のようにそう俺は呟き、既に整え終えた呼吸のまま、リビングへと向かった。
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リビングへ行けば母が居た。おはよう、と声をかけて席に座る。すると、母もまた、俺と同じようにおはようと返し、米と味噌汁を俺の前に差し出した。
「いただきます。」と声がリビングに伝う。なんとなくテレビを見ていると、丁度ニュース番組などがやっていた。特に興味もないので気にせずご飯を食べ進めていると、男のニュースキャスターが言った。
「今朝、学校で教師が飛び降り自殺をしたという情報が入ってきました。」
その言葉だけで、俺はピタリと動きが止まった。
教師、自殺。もしかして、と思った、だが、それと同様に、これは違う。とも思った。俺が見たのは首吊り、飛び降りなんかじゃない。
でも、もし、万が一、そうだとしたら。そう思うと高橋は気が気じゃなかった。いつもなら七時半に朝食を食べ終えるはずだったが、今日は七時二十分と、十分早めに朝食を終えた。
その後はすぐさま着替えて家を出た。時刻は七時半。学校には八時二十五分までについておけば良い。そのため、まだこの時間に通学している生徒は少なかった。
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