コメント
0件
幼い頃から両親の虐待を受けていた。
物心着いた頃からそれの腹いせをするために沢山の子を虐めてきた。
悲しみ苦しんでいる子の顔を見ると私と同じ境遇に立っているのだと仲間ができた気分になる。
親から言われてきた言葉をその子たちに返してあげた。
すると絶望して毎日辛そうに学校へ来ていた。
でもあなた達は両親に大切にされて生きてきたのでしょう。
私は親の事が大好きだった。
けれどその大好きな人達から暴力、暴言などを受け優しい温もりに包まれる事は無かった。
私は生まれてきたことが間違っていたらしい。
そう教えてくれたのは両親と中野 紗季だった。
紗季は小学生の頃から一緒だった。
育った環境、容姿、頭脳、運動神経、友人全てに恵まれていた。
羨ましかった。
だから私は紗季をとことん虐めた。
最初の頃は泣き苦しんでいたけれど徐々に無表情で耐えていくようになった。
なんだか面白味が無かった。
私と同じでは無いのだと改めて感じさせた。
中学一年生の頃とある男の子が転校してきた。
それがゆうやだった。
とても整った顔立ちで優しくてすぐに好きになった。
けれどゆうやは紗季のことが好きだった。
けれど紗季はそうでないらしい。
ならば、やっと私にも幸せが見えると思っていたのに、中井 紗良はゆうやにクラスメイトの前でキスをした。
そしてその後付き合ったのだ。
もちろんいじめの標的は紗良に変わった。
紗良も紗季と同じような境遇に立っていた。
だから、紗季でも、紗良でもどちらでも良かった。
紗良を虐めるに当たってだんだん怒りが湧いてくるようになった。
全部もってるくせに私の好きな人まで取っていく。
そんな紗良が許せなくなった。
だから私は初めて嫌いな人間だからという理由で紗良を虐めた。
紗良の何もかもが嫌いになった。
こんな人間死ねばいいとも思った。
虐める人なんてなんとなくで選んでいたのに紗良だけは違った。
だからだろうか。
紗良以外の人間に目が向かなくなって行った。
紗季の事も忘れて紗良を痛め付けるのを心の底から楽しんでいた気がする。
紗季が全て見ていたことを今日の今まで忘れていた。
まさか、クラスメイトの前でバラされるとは。
名前は出さなくともあらかじめ予想のできる言い方。
紗季は小さな頃とても優しくて社交的だったはずだ。
成長するにつれて紗季と紗良は真逆になっていった。
関係性はそのままで。