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芥川「…、」
2人の姿が見えなくなって、執務室のそふぁと言うものに腰掛ける。
此処で待っていろと言われた分、座るざるを得なかったのだが。
やはり、このような環境の整った部屋は慣れぬ。
だが、暖房の効いた部屋に疲れ切った身体は耐えられそうにない。
ぼんやりと意識が薄れるのを感じながら目を閉じる。
中也「青鯖の野郎…、書類押し付けやがって」
太宰が担当する報告書の制作を押し付けられ、不機嫌そうに執務室へ向かう青年。
中原中也は乱暴に扉を開ける。
中也「チッ、居ねぇのか、よ…」
芥川「すー、すー…////」
中也「は…?」
この部屋の主、太宰が居るはずだった部屋にソファで眠りこけている子供一人。
見ない顔だなと思い警戒するも、羽織っている外装が太宰の物だと気づく。
どうやら、警戒する必要はないようだ。
中也「…、(このままだと暖房が効いてるからって風邪引くな)」
毛布を引っ張り出し、芥川に掛ける。
芥川「…、ん」
中也「!、(此奴鋭い…)」
芥川「…?(何故、毛布が…)」
中也「起こしちまったか。」
芥川「ッ!」
俺に気づくと、驚いた様に構える。
中也「んだよ、俺は太宰の同僚だ、警戒すんな。」
芥川「そう、なのですか。申し訳ありませぬ…。」
中也「…お前太宰の丁稚か?」
芥川「大宰さんは、部下だと…」
中也「…、」
芥川「どう、されましたか…?」
不自然に黙り込んだ俺を心配そうに見つめる。
中也「わりぃ、考えてただけだ。」
中也「なぁお前、細すぎねぇか?ちゃんと飯食えよ。」
芥川「…、貧民街で明日の食べるものもなく…。」
何故か申し訳無さそうに言う姿に加護欲がでる。
中也「そうかよ、…なら俺がー」
大宰「芥川君、いい子にしてたかい?」
俺が言い終わる前に大宰の奴が帰ってきた。
大宰「は?」
中也「んだよ、青鯖ァ。俺はお前の報告書を渡しに来てやったんだぞ。」
大宰「私の嫁こと(?)芥川君に何してるの?」
中也「話してるだけだが、ていうか何時から此奴はお前のなんだよ」
大宰「最初からだけど何?」
中也「んなわけねぇだろ。巫山戯んのも大概にしろ。」
芥川「あ、の…大宰さん。怒って、ますか…?」
おずおずと上目遣いで尋ねられ大宰は耐えきれず床に膝を着く。
芥川「だ、だざさッ…!」
そんな上司の姿を見て余計困惑する。
中也「ほっとけ、死にはしねぇ」
芥川「承知…?」