夕方。俺はまたいつものように丘で待っていた。海がキラキラと輝いていて眩しい。
今日、俺は紗羽のことをもっと聞いてみようと思う。なんであの日雨に打たれていたのか、紗羽には何があったのか____色々と聞きたいことがたくさんある。
紗羽が来るのを待ちながら、紗羽はどんなところに住んでいるのかを考えていた。意外とお金持ちのボンボンかもしんないな~!
ザッザッ、砂利道を歩いてくる音が聞こえて、音の方へ振り向くと紗羽がいた。
「やっほー」
「や、っほー」
相変わらずぎこちない「やっほー」を聞くと、紗羽、って感じがする。
「早かったね」
「うん、今日は隙を見て逃げてきたんだ」
また。逃げたってなんだろう。逃げるって、まさか危険な場所にでもいるのかな?
ダメだダメだ。それを今日聞きに来たんだから。
「あ、のさ!!」
「…!?」
急に大声を出してしまった。紗羽は目をかっ開いてびっくりしている。
「紗羽…って何があったの、?」
「ぇ…」
お…
完全に聞き方間違えた…。なんだ「何があったの」って!!!!何かあったのが前提で話してる!!!!死にたい!!!!
「何があったの、か……」
紗羽が普通(?)に返してくれて驚く。完全によくない聞き方だったけど…
「私さ、ほら!前にも言ったじゃん?家族3人が白骨化した死体で見つかった~って。あれ事故さ、私の家族なんだよ」
「ご、ごめん!!俺帰る!!」
考える前に体が動いた。俺の体は勝手に走り出していた。
「ね……、ってあれ?蓮菟くん?」
後ろから紗羽の声が聞こえる。
俺、俺………
「俺最低だ…っ」
紗羽のこと知りたいって勝手に思って、そんでいざ聞いたら怖くなって逃げて、全部自分の都合じゃんかよ……
「終わってんな、俺…」
コメント
2件
え!!??? 嬉しすぎ!!お世辞でも嬉しい> ̫<ほんとに光栄です!!!!
なんだ。ただの神作家か。