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9

【八話】貴方様に命を捧げます。

2024年04月01日

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見てくるやつが嫌い。全員嫌い。


クラスのやつに先輩に後輩、家族も、嫌いだった。唯一好きなのは不良仲間。


そう僕は、不良だった。だから嫌われてたんだ。


だけど世界は思ってたよりずっと広かった。こんな僕でも認められて、大切に思ってくれる人がいる。あの人に出会ったあの日、見る目が変わったあの瞬間、僕はあの人に命を捧げると誓ったんだ。


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「はーだる。」

今は授業中。だが俺は退屈中。授業を受けても受けなくても退屈なのには変わりない。

「なるくん!授業にでなさい!」

そう、こいつ、はるって言う。生徒会長やってるらしい。俺にとっちゃくそだる会長。しかも謎にやたらと執着してくる。

「さっき君のクラスから笑い声が聞こえたよ」

「へーそうすか。」

あー!また適当な返事!と会長は言ってきた。興味が無さすぎる。本当に。



すると声がした。

「なるー!コンビニでおにぎり買ったから食おうぜー」

「食おー」

俺はおうと言って仲間たちの所に向かおうとすると、会長はよく分からない事を言った。

「その人達と関わってて楽しい?」

「…は?」

仲間の悪口は俺が許さない。会長はまた仲間の事を話そうとしていた。俺は殴りかかった。だが会長は俺の拳を止めた。

「…空手とか習っての?」

「んーなんも」

確実に当てれそうな位置だった。だがこいつは止めた。その謎が、この言葉でわかった気がする。


「なるくん、殺し屋に入らない?」

何言ってるんだこいつは…

「あの不良達にお金渡してるでしょ。彼らそのお金でクラブ言ってるの見たんだよね〜」

それで〜と彼は長々と話し出した。何故か、写真も取られていた。

「そんな話、信じるわけ…」

「とりあえず!お金要求されても渡さないようにね」

そう言って会長は出ていった。話を信じてないわけじゃない。お金は要求されてる、渡してる、写真も確実に俺以外の人が写ってる。だけど訳があるかもしれない。僕は半信半疑でいたが、彼らはまた言った。「お金を貸してくれ」と。



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「ごめん、無理。」

「は?なんでだよ」

「××くんの家のために渡してた。だけど、そのお金でクラブ行ってるんでしょ?」

「何涙目になってんだよw」

「あーもーい。こいつダメだ。捨て。」

「え…?」

裏切られた。簡単に。

僕はこの出来事があってから学校に行けなくなった。

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数週間が経った。親達は元気がない姿をみて心配していた。そしてクラスメイトからメールは一通もこない。

ピロン

『なるくん、今日の5時ーー公園に来て』

『いいもの見せてあげる。』

会長からだ。励ましのつもりなのか、それなら要らない。

ピロン と、また一通

『彼たちも来るよ』

と。その一言で僕は立ち上がった。何かの間違いだと言って欲しい、また前みたいに話したい。その思いで僕は5時、ーー公園に向かった。


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ーー公園についた。もうみんなはいる。ほんとはみんなと話したい気持ちがある。だが途中で会長から、

『どっかに隠れててほしい』

ときたので、僕は聞こえる距離で隠れた。何やら喧嘩になりそうな話し合いをしている 。

「俺らは元々金目だしw」

「そーそー。まーいーやつだけど飽きる」

と、どんどん悪口大会になって言った。会長は何も言わない。その場にいるのが辛かった俺は帰ろうと思った。その時会長は口を開いた。

「金貰ってるのは誰?」

「ん?俺」

と、俺と言った瞬間、会長はそいつを殴った。他のやつも、会長に殴りかかろうとしていた。俺は止めようと思ったがその必要は無かった。一瞬で殴り合いは終わり、会長だけが立っていた。

「あ、なるくん、みてたでしょ?」

「は、はい…」

凄すぎる。僕は彼らに逆らえなかったのに、会長は、はるさんは…

「凄いです、ほんとに、こいつら強いのに…本当に凄いです…」

ありがとう、と会長は言い、ポケットから何かを取り出した。


銃だ。それを僕に向けた。

「はるさん…?」

「もう一回聞くね、殺し屋に入らない?」

「もしNoと言ったら君を殺すね」

はは、はるさんのばか。僕の答え、もう察してるでしょ笑

「はるさん、殺し屋に入ります」

「僕はこれからの人生、

貴方様に命を捧げます。」






__そうしてこの日、僕の殺し屋の人生がスタートした

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