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11.邪神開放目撃者誕生w



その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「ここが、あの神話に出てくる邪神フォルグの封印場所…」


リイナは、伝説上の神の封印場所を見て、感動しているようだ。


「だが、見たことのないモンスターもいるぞ」


「本当だな」


ホテアデスは、今まで見せたことのない形相をして、ハンマーをぶん回していた。

幸い、クランメンバーは近くにいなかったから、被害者は出なかったが。


「で、どーするの?」


精霊の一族の末裔、セサは上空にみんなを浮かせながら、創設者のリグに聞いた。


「今まで通り正面から突入、と行きたいところだが、それだと絶対死ぬんだよなぁ。」


みんなで頭を悩ませていると、セサが


「僕なら、加護で一定時間みんなに呪術を効かなくすることくらいはできるけど?」


「「「「「「はぁ?」」」」」」


「あのなぁ、セサ。そういう重要なことはもっと早く言おうな?」


「いや、奴らが呪術を使うかなんてわかんなかったし、言っても意味ないかなぁって」


「いや、名前と見た目からして明らかに邪界モンスターだろ」


「たしかにそうだけどぉ、まぁ、とりあえず上空から突入するてことでいいよねぇ」


そこは全員一致ということで、セサに一時的な加護を全員に授けてもらった。


加護を授けてもらうときに、一瞬視界が真っ白になった。

そして、視界が元に戻ったときには、何が自分が変わったような感覚を持った。


※ピコーン※※聖光加護陣※スキル獲得※

※ピコーン※※神に認められしモノ※称号獲得※

※ピコーン※※神に認められしモノと冒険者見習いが結合します※神に認められし剣士※称号獲得※


お、スキル獲得できた。これ、セサの加護のおかげかな?

すると、セサがこっちを向いて、ニコッと笑った。スキルを獲得したことがわかるのだろうか。


「みんな、加護は一時的なものだから、そのことを踏まえて戦ってね。」


セサはみんなに忠告を行うと、俺の方に歩いてきた。

そして「ピンチになったら、新しく覚えたスキルを使うといいよ」と耳打ちし、みんなに


「じゃあ、いくよ~」


と言い、敵のど真ん中へ飛び込んでいった。


周りを見ると、みんなも戦い始めている。


ホテアデスは一番前で敵をなぎ倒して行っている。


フォティは素早く敵の懐に飛び込んで、切りつけまわっている。この動きは、飛翔流だろうか。


セサは様々なスキルのようなものを使い、味方をフォローしたり酸骸骨を倒したりしている。


リイナは呪術骸骨を標的にして魔法を飛ばしている。その魔法に当たった骸骨は凍りつき、崩れていた。


フェレールは後方で爆弾などのアイテムを作っては投げ、作っては投げている。

そんなフェレールの周りには、爆発で空いた穴が無数に散らばっていた。


リグはホテアデスと同じように戦っているが、武器を持っていない。

魔闘術で拳と足を強化し、戦っているのだろう。


俺も負けてられない。


周りに仲間がいないことを確認し、〈斬撃〉を発動させた。

緑色の残像が刃になり、黒骸骨帝王を襲った。


基本スキル故に倒しきれなかったが、ダメージは与えられたようだ。

ただ、黒骸骨帝王は怒り、俺を中心に黒色の莫大な魔力を持ったフィールドを展開した。


おそらく闇属性なんだろう。セサの加護があると言うのに、ダメージを受けてしまう。

衰弱効果があるのか、動けない。ヤバい。

体力が半分を切ってしまった。もう駄目だ、と思った瞬間、セサの言葉が蘇った。


「ピンチになったら、新しく覚えたスキルを使うといいよ」


これこそピンチじゃないのか?

急いで、〈聖光加護陣〉を発動させた。すると…

俺を中心に戦場を囲うように、魔法陣が展開された。


そして、その魔法陣に魔力を込めた瞬間…。

魔法陣が光を発し、光属性のフィールドを展開した。

そのフィールドは黒骸骨帝王が出現させたフィールド、そして黒骸骨帝王と酸骸骨、呪術骸骨をも囲んだ。


その次の瞬間、ものすごい量の魔力が消費された。

そして、フィールドの外側が金色の鎖で覆われた。そして、その鎖が黒骸骨帝王を取り囲み、文字通り八つ裂きにした。

同じように酸骸骨と呪術骸骨も八つ裂きにされ、

残ったのは骨のカスと、大きめの魔石と、黒骸骨帝王が持っていた杖のコア(おそらく闇属性)だけだった。


魔法杖なしでこの威力なら、師匠(祖父のルブロック)からもらったムーンストーンつきの、

光属性の威力が5倍に増える魔法杖があったら、どうなっていたのだろうか。


「終わった…のか?」


リグはいま起きたことが信じられない、という目で周りを見渡し、沈黙を破った。


「なんとか勝ったみたいだな。」


ホテアデスも、無事に誰も死なず、良かった良かったと言いながらも、自分の目を疑うような顔をしていた。


「つまり、リードが王級魔法も顔負けの烈級光属性魔法を使用したってことね。」


「ということは、この戦いの勝因は、リードにあるってことだね!」


フォティとリイナは、冷静に話していた。


「あの、王級、烈級ってなんのことですか?」


俺は、疑問に思ったことをリイナに聞いてみた。


「魔法には、他のものと同じように階級があるの。その階級は、弱い順に、

初級(普通の強さ)→中級(少し強い)→上級(強い)→王級(王宮魔術師が使うレベルの魔法)→烈級(ヤバい)

ってなってるの。つまり、リードは、王宮魔術師を超える魔法が使えるの。リグが言っていた通り、才能あるわね。

ほんとムカつくことに、リグってそういう感だけはいいんだよねぇ。」


ちなみに、このリイナは、まさかの俺より年下の10歳だ。それにしても、話し方、記憶の量がもう20歳レベルで、尊敬する。


「まあ、リードがいなかったら私達は死んでただろうし、リードから戦利品を選ぶのが打倒じゃないかしら?」

「「「「賛成!」」」」


そう、戦利品は戦闘で一番活躍した人が最初に選べる。

というわけで、俺は黒骸骨帝王の杖についていた闇属性っぽいコアをもらうことにした。

みんなも酸骸骨の心臓やら、呪術骸骨の杖をもらい、魔石は山分けした。


俺は、中魔石を12個、小魔石を27個もらった。大魔石は、リイナがもらった。

和気藹々とした会話をしながら魔石を集めていると、

もう敵を倒しきったはずなのに、近くからとてつもない邪気と魔力を察知した。


セサをみると、俺と同じように、邪気と魔力を発している方向を睨みつけていた。


何かある。


恒例スキル〈焔付箋珠法〉を意識、これまでの行動で何か見落としていることがないかを確認すると…

あ、邪神フォルグの右腕のことを忘れていた。ただ、右腕は封印されているはず…まさか、封印が解けようとしている!?


ヤバい。とてつもなくヤバい。セサ以外も、この魔力、邪気を感じ取ったらしく、

それぞれ魔闘術を使用したり、魔法で防御している。俺も、魔闘術を使用、体全体に魔力を纏わせた。

すると…


その邪気が発されていたところが爆発し、

虎のような毛を生やした右腕が飛び出していき、何処かへ飛び去っていった。


「あ…、邪神フォルグの右腕…、封印が解けちゃったんだ…。」


フォティは声を震わせながら、右腕が飛び去っていった方向を見つめていた。


「リイナ、右腕が封印してあったのなら、邪神フォルグのその他の部位も封印されてるんだよね?」


セサは聞いた。


「神話上ではそうなってるけど…」


「だったら、その封印されていた部位の封印が同じように解けちゃったら、どうなると思う?」


「さぁ…あ、まさか!?」


「そう、そのまさかだよ。神話上では、邪神フォルグは世界を滅ぼそうとしたが、

勇者サリーが宝剣グルークスを使って邪神フォルグの体を切り刻み、それぞれを封印し、

勇者サリーも怪我を負い、封印をし終わったあと死んだ、と記されている。

そして、今右腕が飛んでいった方向は、勇者サリーと邪神フォルグの決戦の地、リトル・ヘブンの方向だ。

おそらく、すべての部位の封印が解けたあかつきには、邪神フォルグが復活し、世界を滅ぼそうとするだろう。

そして、その第一標的は、リトル・ヘブン…。」


「嘘だろ…」


俺は愕然とした。邪神の第一標的が生まれ故郷だなんて、信じられない。


「あ、あの、右腕が先にリトル・ヘブンを壊すという心配はないんですか?」


俺は急いでセサに聞いた。


「可能性はあるだろうけど、邪神フォルグは、すべての力を取り戻してから世界を滅ぼそうとすると思うから、

その可能性は低いと思うよ。」


それにしても、まさか、こんなことになるとは思わなかった…。

でも、今の俺はひとりじゃない、国に名のしれたクラン、〈紅蓮の鳳凰鳥〉のクランメンバーという

頼もしい味方がいる。きっと、邪神フォルグの陰謀を食い止め、師匠の弟さんを生き返らせるんだ!



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ここから、他のシリーズ

「私が王宮魔術師になるまで」と「人生の転機 トラック事故で俺の人生が一変した」の最新も入ってくるので、

このシリーズの最新が遅れるかもしれませんが、ご理解お願いします。

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